上田一輝|Ikki Ueda

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2回目のハノイ渡航でベトナムの成長感を深掘りしてみた

2回目のベトナムの印象

先月の下旬(2023年3月)にて7日ほどベトナムハノイに行ってきました。実際に前月の3月にもハノイに行ってきたのですが、想定よりも興味深いところが多かったため再度行ってみた感じです。

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今回はハノイ郊外の地方やベトナム不動産も観ることを目的として、現地の友人にも色々面白そうなところやお店を紹介してもらえました。

個人的な主観ですが一度フラット行ってみて面白いと思った都市は、再度新たにテーマを加えて行ってみるとより別の景色を見られることができます。

また今回はベトナム人の同世代(20代)の人たちとも関わってきましたが、フラットで笑顔な人が多くて多少英語が通じなくても話しやすい印象でした。


改めて今回もっともハノイで感じ取れたことは、ベトナムは国として発展していきそうな要素が多いということです。上記の記事で裏づけとなる数字(実質GDP成長率、若年層率など)について触れましたため、こちらもご覧ください。

今回は数値よりも個人的に分かったベトナムにおける面白さとその将来性について触れていきます。

1 ベトナムに住んでいる日本人の少なさ

 

2022年10月時点におけるベトナムの在日日本人の人数は2万180人

Number of residents from Japan living in Vietnam from 2013 to 2022|statista

 

こちらの人数はベトナムにおける在日外国人の国別の順位であっても14位となっていて、意外とベトナムに滞在している日本人は少ないです。


逆に面白いことにベトナム人が滞在先として選ぶ国として日本がトップとなっています。

2019年時点で各国に滞在しているベトナム人留学生数の上位3カ国
日本:人数 82,703(人)、全体の割合 54.2%
台湾: 54,480(人)、 35.7%
韓国: 7,215 (人)、4.7%

                   ベトナム労働傷病兵社会省(2019)

 

なぜこちらをリサーチしたかというと、
私がこれまで行ったバンコクやクアラルンプールでは街を歩いていると日本人(日本語をよく耳にする)を見かけました。ただハノイの街のみならず、イオンモールでさえもあまり日本人らしき人を見かけることがなかったです。

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ちなみに私が一人でカフェに行っているときにお店の若い店員さんが「日本人ですか?」と翻訳機を使って話しかけてくれました。まだ彼は18歳でしていつか日本に興味があって、率直に日本人と話してみたかったそうです笑

また私のローカルの友人の友達も何度か一緒に出かけましたが、日本に大して興味を持っていてウェルカムな姿勢を見せてくれましたのは嬉しかったです。

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個人的に何がバンコクと違っていたかというと、ベトナムは相対的に日本人の数が少ないため、まだ日本人の希少性がありそうです。例えばバンコクのように日本人が数多く住んでいるとわざわざ上記のような会話をしてくる人は少ない印象です、、


またそういった点も上手く活用できれば現地での起業をするときも、有利にいくのではと感じました。個人的に将来海外で何かしらのチャレンジする場所としてベトナムも視野に入れるきっかけなりました。

2 不動産価格の手頃さとその難点

今回いくつかのハノイの中心部の物件と郊外のものをエージェントに内覧させてもらいました。

以前バンコクやクアラルンプールでも同様に複数の物件も観たのですが、同じようなクオリティの物件であってもやはりハノイの方が価格が低くかったです。

ベトナムホーチミンの地価価格 は1億8000万~2億5000万VND(約90万~125万円)

ホーチミン市の最新 地価価格 発表|Vietnamgrove

 

イメージとしてハノイの中心部の比較的高級物件で64.2㎡で2500万円から3000万円ほどで、郊外(車で30分ほど)に行くと2000万円ほどになる形でした。ただここはあまり専門でないため、フワッとした説明でご容赦ください、、

またベトナムではコロナ禍の1つのトレンドとしてスタジオユニットが増えたので、単身者でも物件を選びやすい状態にあることです。

ちなみにシンガポールみたいな不動産の供給が限られています。なので特に今スタジオユニットを探すことが難しいので、これってけっこうありがたい
ことだと思います。

また現在もハノイにはMRTがあるのですが、今後数年かけてモノレール開発や地下鉄の開発も進めていくそうです。なのでこれからで見るとよりベトナム全体としても便利なインフラができてくるので、それも不動産にも好影響(今後地下鉄が通るラインにある物件など)があるように見えます。

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しかし個人的に問題となってくるのは今現在においてベトナムにはリタイヤメントビザがないことです。

例えばタイであるとタイランドエリートビザやマレーシアのMM2Hは、一定のデポジットや投資を国に行うことで永住ビザに相当するリタイヤメントビザを発行できます。

また日本人投資家(与沢翼さんなど)もこういった制度を利用することで、タイやマレーシアに住居を持っている方も多くいます。


ただ現時点でこういったビザを発行していないベトナムは海外投資家がやや参入しにくいのでは、という印象を持ちました。

ただ今後こういったビザがベトナムでも発行されるようになれば、不動産価格は間違いなく上がるのでその前段階から目を付けておくこと自体はプラスにも見えます。

3 低所得の現実と課題

これは認知されつつあることですが、近年ベトナム貧困層「1日を1.90ドル未満で過ごす人」は減少しつつあります。

ベトナム貧困率の推移
2002年:28.9%
2012年:17.2%
2018年:6.7%

Poverty headcount ratio at national poverty lines (% of population) - Vietnam|The World Bank

 

しかし低所得者層は依然として多くて、私の友人たち(20代前半)と話していると周りでも月給は10万円以下が当たり前なため、なかなか海外旅行に行くのが難しい人が多いと言っておりました。

また多くのベトナムの若者は日本に関心があるけれど、実際に日本に行くまでの航空券やホテル代が高額なので旅行が難しいという現状もあるそうです。


一方でベトナムの若者を中心として熱心に勉強に励んでいる人が多いのも事実です。

例えば本屋で多くの子供達や若者も座って本を読んでいて、現地の美術館でも客層が若くて熱心に作品を眺めているという印象がありました。

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なのでもう少し外部から金銭面の援助(大学の学費の免除など)さえあれば、より成長できるポテンシャルを持っている人も多くいるでしょう。

もちろんベトナムにおける日本からの投資資本が海外から見ても上位であることや多くのベトナムの実習生を受け入れているのはも事実です。

2018 年 9 月での日本からのベトナムへの総投資資本においては約 5050 億米ドル。この額はプロジェクト内でもっとも多くて、総資本では全体の28.8%を占める。

ベトナムに投資プロジェクトを行っている国と地域は 全体で97

     Hàng Nhật chuyển hướng cạnh tranh tại thị trường Việt|B News

 

しかし個人的にはもっと現地の若者に柔軟に投資するプロジェクト(日本に手軽に行きやすい仕組みの旅行を兼ねた視察キャンペーンなど)があればよりいいなと思います。というのも主観も混ざっていますが、ベトナムはそれほどポテンシャルを秘めた国だと感じているからです。

 

まとめ

今回は2回目のハノイに来てみて「ベトナムの成長性」という点について深掘りをするべく現地で色々探ってみました。

2回目のベトナムでよりこの国の面白さや発展性について確信に至るところが見えた反面、所得面などの現状の課題も浮き彫りになってきました。

ただベトナム人からすると将来の期待も大きいので、そういった面もむしろポジティブに捉えているように見えました。このようなトレンドは実際に行って現地の人たちと関わるからこそ分かることなので、数値のみからは判断がしにくいでしょう。