上田一輝|Ikki Ueda

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今後のベトナム旅行に大きな影響を与えうる高速鉄道

現在、ベトナム政府はハノイホーチミンを結ぶ高速鉄道のプロジェクトを進めています。この列車は時速200 kmで運行される予定で、全長は1,541 kmとなります。

プロジェクトのタイムライン

ハノイ-ヴィン区間、ニャチャン-ホーチミン区間は、2027年後半から着工
・ヴィン-ニャチャン区間は、2028年から2029年の間に着工
・プロジェクト完了の目安は2035年

Vietnam High-Speed Railway: North-South express railway project|FUTURE SOUTHEAST ASIA

総事業費は約670億ドル(約10兆円)が見積もられており、民間企業の出資を優先的に予算に取り入れていく方向性です。もし国家予算が投資に見合わない場合、ベトナム政府は国債や国際債券を発行する予定となります。

ハノイからホーチミンまでの区間には20省あり、観光地と地方都市の両方が含まれています。ベトナム北部であれば、フーリー(Phu Ly)やナムディン(Nam Dinh)がそれに当たります。

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画像引用元:TEDI

現時点でのベトナム国内の交通網は、日本ほど発展していないため、中距離の移動にはタクシー、長距離の移動には主に飛行機を利用することが多いです。

仮に複数の都市を回る場合は、多くの観光客は観光ツアーや電車で行くことが一般的です。外国人にとってベトナム国内でタクシーを利用して観光することは、けっこう難しいことは予め知っておくと良いでしょう。

基本的にハノイホーチミンなどの都心部内であればGrabやUberなどのライドシェアを使用することが一般的です。ベトナム語が分からなくても、行き先を指定すれば目的地まで行くことができます。

一方でベトナムの民間タクシー会社におけるタクシー料金は安いですが、意外と使用するハードルが高いです。一からベトナム語で行き先を指定して呼ぶ必要があるため、言語の壁にあたりうるからです。

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このような背景を踏まえても、高速鉄道が完成した場合、ベトナム観光や国内滞在者の移動に大きな影響があると思います。

ベトナム観光
・近隣都市への日帰り観光
これまでハノイを訪れた旅行者は近隣のハイフォンやハーロンベイに行くことが多かったが、ニンビンまで日帰りでの観光も可能になる

・観光客数の変動
便利な移動手段の提供により、ベトナムへの観光客数が増加する可能性が高いです。例えば、ハノイからニンビンまでのアクセスが容易になることで、気軽に両都市を観光できるようになることです。

国内滞在者の移動
国内滞在者の移動地方都市出身の人々にとって帰省しやすくなります。北部を例に挙げると、これまでハノイからナムディンまではタクシーで2時間ほどかかりましたが、当鉄道では30分ほどでアクセスできます。

また、高速鉄道が新たに開通することで、観光地のニーズが高まることで、現地の不動産にも影響があるでしょう。スケジュール通りにプロジェクトが進行するかは不透明ですが、様々な分野に影響があるニュースです。