上田一輝|Ikki Ueda

「東南アジア」「海外旅行」「マーケケティング」を中心に発信。ベトナム・ハノイのマーケター/留学・海外大学進学のコンサルティング/旅人

細かいことをスルーできれば住みやすいベトナム滞在

海外に住むとやはり日本人とのネットワークづくりが、あらゆる面で重要になります。その一環で先月ハノイで北海道在住者の集いの会である北海道同人会に参加しました。

イベント当日は幹事の方が本帰国されるため、いつもより大人数である30名以上の方が来られていました。以前私は3年ほど滞在していたシンガポールでは、グループ名が異なるものの、同じコンセプトの道産子会に参加しました。

日本在住者が多い場所というと東京をイメージしがちです。しかし、なぜかシンガポールベトナムと共に北海道関係のグループサイズが大きいのが不思議です。

また、個人的に面白いなと思った両国におけることは、(体感的な部分も含め)ベトナム国内にいる日本人の年齢の方がやや上なことです。ベトナムと言えば長らく駐在員が来る場所として、認識されている部分がありました。

一方でシンガポールであると、20代の現地採用、交換留学生なども多くいます。特に2023年よりコロナウイルスが終息して、その層が多くシンガポールに移住した印象です。つまり、各東南アジアによって、住んでいる日本人の層も異なるということです。

話戻すこと、そのハノイのイベントでもは、5年から10年以上のベトナム在住歴のある方たちもいました。

そこである方に「細かいことをスルーできるようになれば、ベトナムはすごく住みやすいところだよ」と言われました。

細かいこととは、日本とベトナムで大きく違う習慣・環境を指しています。一般的なものでは、「人との距離感、交通渋滞、コミュニケーションのスタイル」などです。もちろん、人によって何が気になるかは異なりますが、一般的にも各国によって普遍的なものは異なります。

人との距離感を例に挙げてみると、ベトナムでは日本よりもパーソナルスペースの距離が近いです。知らない人同士の距離も近く外の屋台とかでも、(他のお客さんが)なぜこの近距離に座ってくるのかと思うこともあります。

(特に女性)日本人が初めてベトナムに住むと、「人との距離が近すぎる」と共通して言っているくらいです。

個人的にはこの要因はあまり気にならず、むしろフレンドリーで気さくだとすら感じました。ただ、人によってはストレスや不快感を感じることもあるでしょう。

もう一つだけ例を交えると、個人的にストレスに感じたのはベトナムの「交通渋滞」です。特に朝や夕方のラッシュアワー時に二輪バイクで移動する際、多くの二輪バイクで前が詰まり缶詰状態。

この問題はハノイのみならず、タイのバンコクインドネシアジャカルタなど他の東南アジア諸国でも共通です。

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先ほどの方曰く、そのようなこと(細かいこと)を気にならないようにできると、ベトナムは住みやすいということです。実際に自身の場合、ベトナム滞在の初めの3ヶ月くらいは楽しさ・充実感よりもストレスが上回っていました。

しかし、4ヶ月ほど経過したタイミングで、少しずつ免疫が高まってきました。あと交通渋滞について、いくら考えてもそもそも出来ることはそんなにないことも悟りました。

次第に細いことよりも、その土地での面白いことに目が行くようになりました。具体的には、「ベトナムマーケットの面白さとベトナムならではの交友関係の構築のしやすさ」です。

前提として、私はベトナム人の日本に対する興味関心の高さに面白みを感じています。

ベトナムでの日本語学習者の総数は169,582人となっていて、世界でも6番目に多い人数となっている。

2021年度 海外日本語教育機関調査|国際交流基金

2022年末時点での在日外国人の総数
(1)中国 76万1563人(+4万4957人)
(2)ベトナム 48万9312人(+5万6378人)
(3)韓国 41万1312人(+1457人)

*カッコ内は対昨年の増減数

令和4年末現在における在留外国人数について|出入国在留管理庁

1つ目のベトナムマーケットの面白さとは、日本とベトナムの良好な関係性に基づいています。特に今年は日越外交関係樹立50周年ということもあり、ハノイでもさまざまなイベントが開催されていました。

japanvietnam50.org

 

近日のものであると11月18日、19日の2日間に渡りハノイで「KANAGAWA Festival」。日本人とベトナム人を含むアーティストが歌やダンスを披露されており、多くの来場者に溢れ会場も盛り上がっていました。

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加えて、最近の特徴としては、日本のインフルエンサーの方もベトナムでイベントを開催しています。

別のイベントでは、私の(ベトナム人の)知人は、ホーチミン市で開かれたトークイベントで「深田えいみさん」の通訳ベトナム語から日本語)を行なっていました。

今後ベトナムで日本の著名人、インフルエンサーとの関わりが増えれば、ベトナム語を話せる日本人の需要も高まるでしょう。個人的にこのような両国をつなぐマーケティングイベントに興味があり、ベトナムのマーケットに面白さがあると感じています。

次は「ベトナムならではの交友関係の構築のしやすさ」についてです。私はこれまでオーストラリアに4年ほど、シンガポールに3年滞在しました。今回のベトナムでは、その中で最も交友関係を広げやすい場所だと感じています。

もちろん、同じ東南アジアであるシンガポールでも、交友関係を広げやすく、シンガポール人における日本への認知度合いや関心も高かったです。

しかし、交友関係でベトナムと大きく異なる点は「シンガポールビジネスパーソンと交友を広げやすく、ベトナムはラフな友人・知人と知り合いやすい」です。

ベトナムでは日本に憧れを持った人たちが多く、日本人というだけで親しくなりたく思っているベトナム人も多くいます。なので、ラフに出かけたり話せる人を見つけるという点では、ベトナムの方が簡単です。

体感的な部分もありますが、東南アジアといってもその場所によって、どういった人的ネットワークを築きやすいかが異なります。

各国によって問題や課題がある一方で、さまざまなチャンスもあります。当たり前の話ですが、先日参加した会のメンバーのある一言でそのようなことを考えてみました。