上田一輝|Ikki Ueda

「東南アジア」「海外旅行」「マーケケティング」を中心に発信。ベトナム・ハノイのマーケター/留学・海外大学進学のコンサルティング/旅人

海外就職とは、を細分化してみた。

海外就職について考えてみた背景

最近、知人や友人に海外でどうすれば働けるかを聞かれることが多かったです。特に統計データを見ているわけでないけど、コロナが明けてから海外移住をしたい人が増えている気がします。

考えられる理由は、円安、日本の経済成長の鈍化などマクロ面やコロナが収束したらタイミングが良いなど、色々あるでしょう。

私はそこまで海外就職は特別視しておらず、あくまで海外でしたいことや興味のあるマーケットが見つかると、すぐに移住を試みるタイプです。20代前半までは面白そうなマーケット(国)を見つけると、すぐにどうすれば移住できるかを調べるほどでした。

あまり海外移住は何かをしたら何が変わるかなど、そこまで考えてこなかった方です。しかし、今始めて海外就職をするとしたら、おそらく脚がすくんだり、これまでより不安が募ったりと、移住する年齢も大きな要素かと思われる。


まず、個人的に海外で働き始めて3年過ぎが経過しており、海外で働いたらいきなり何かがいきなり変わる感じはなかったです。確かに海外であればマーケットが変わるため、必要な言語や人々が違うのは事実です。

どちらかといえば、海外ならではの環境面、人脈、仕事のチャンス、情報を上手く活用できたら変化が生まれるでしょう。私はまだまだそこを活用して何かの形にするというレベルまでは到達していないけれど、そのような感覚は少しずつ顕著になってきました。

例えば、私が以前3年ほど働いていたシンガポールでは、仕事外でも多くの専門性の高い方(弁護士、会計士やファイナンシャルプラナー)、会社経営者、投資家などと関わる機会を持てました。

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これって今振り返ると、自分のレベルがそこに至っていないなら、本来はそういった方と関わったり、何かアドバイスをもらうこちは難しいはずです。

多くのプロフェッショナルの人が集まるシンガポールという環境に身を置いていたから、そのような機会があったからです。

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つまり、一般的には海外就職を通して海外に身を置き、そこの環境でアクセスできるリソースを活用することが重要です。

もちろん、始めから日本で活躍されて、明確な目的意識も持たれている方もいるでしょう。今回は漠然と海外で働いてみたいや今のスキルや経験を海外で活かしてみたいなど、一般的な海外就職をイメージで触れていきます。

海外就職をシンプルに考えると、やはり下記の組み合わせでマッチしている国や都市に就職することが重要です。

やりたいこと(ほしい経験)✖︎ 今できるスキル ✖︎ 住みたいマーケット

 

例えば、ウェブマーケティングの仕事を海外でしたいと考えていて、興味のある都市に関連の仕事があまりないとします。いくらそこに住んでみたくても、関連の仕事がないと就職がスムーズに移住が進まないでしょう。

この3つのバランスをうまく見つけて、就職先を探すことがオススメです。


次に、海外で仕事を見つける上でポイントについてです。

海外就職は人材会社に相談するやSNSから探すなどいろいろありますが、今回はよりマクロの視点で見ていきます。全体像を先に把握すると見えてきやすい気づきが多いからです。

1 マーケット環境と海外就職

意外と見落とされがちなのが、その国の経済状況や施策によって年々海外就職の難易度は変化していること。

まず、その国が定める就労ビザの要件に基づき、各企業が人材を集めたり、求人を出します。基本的に就労ビザを出すには、ビザの要件を満たす人材だと政府に判断されないと、仮に企業の内定を出してもビザが降りない(そこで働くことが不可)になります。

上記のイメージ
就労ビザの要件→ それに合わせて採用要件を見直す

このわかりやすい事例はシンガポールです。

シンガポールでは2020年から22年の間でも複数回就労ビザ(EP)の基準が上がって、現在(2023年2月)の最低月額給与はS$5,000。

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要約すると、
1 コロナ禍でシンガポールで就職するための最低賃金がアップ 
2 以前よりも多くの給料を支払ってくれる企業を選ぶ必要がある 
3 その給料をもらうだけの個人のスキルや経験がより求められる 
(就職の難易度がアップ)
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そのため、コロナで閑散として外国人の出入りが少なかった2020年のシンガポールと比較して、現在国通しの行き来が盛んになった2023年のシンガポールとではマーケット状況が完全に異なります。

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あと、新卒で海外で働きたい場合に先に知っておくべきことは、マレーシアなどの就労ビザは、関連の職種で2〜3年ほどの職務経験が現時点では必要になります。

全く抜け道がないわけでないですが、基本的に就労経験がない場合は、先に上記のような要件がない国をメインにリサーチした方がいいでしょう。

特に若い方であれば一度就職してみて合わないな、と感じたら別の国に移住することはよくある話です。むしろ、1回目の移住でマッチする国を見つける方がレアな気がします、、

2 さまざまな情報ルートを探す

最近は海外就職の仕方も多様化しており、Linked-InなどのSNS、人材会社、リファラル採用などさまざま。リファラル採用とは、企業が自社の社員に人材の紹介を受けることです。

別にどの方法がもっとも有効かはケースバイケースですが、情報は多く持っている人が有利です。

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ただ、もし新卒でいきなり海外就職を目指そうと思っても、海外に知り合いはいない場合が多いでしょう。そういった場合は、SNS、人材会社や一般の海外就職を支援している団体や企業に確認するのが手っ取り早いでしょう。

ちなみに、私は大学の卒業前に友人がいるシンガポールに旅行に行くことにしました。そこでアジアでも英語力が高く、いろいろな国の人々がうまく融合しているシンガポールに魅力を感じました。

日本に帰国後にシンガポールで働こうと思ったけれど、現地に友人は数名いるものの、仕事の情報を提供してくれそうな社会人やビジナスマンの知り合いはゼロ。

ただどうしてもシンガポールへの関心は捨てきれず情報収集をしていると、知人から東京に海外就職を支援しているGJJ株式会社に相談をすることをオススメされました。

www.kaigai-shushoku.com

 

その時点(2020年3月)でシンガポール渡航インターンシップをすでに確定して、渡航の数日前に相談をしました。そこで代表の田村 貴志さんにシンガポールに就職を考えていると相談をしたところ、私がシンガポールに着いたら現地の複数の人材会社と繋いでいただけました。

そのおかげで幅広く効率的に相談をすることができ、仕事もスムーズに得ることもできました。その後も田村さんには、必要なときに海外就職関連で情報提供をしていただいたりと、助かっています。

個人的には日本で数年関連の仕事を勤務したから有利とか、新卒だから不利だとは思いません。どちらかというと今の自信の持っているものや環境を上手く活かせそうな国や仕事を探していく方が重要でしょう。

3 人的ネットワークを駆使する

人的ネットワークとは、家族、仕事や友人などの人脈の基盤のことです。意外深くて、人の成功や仕事のチャンスをもたらすのが人的ネットワークの面白さです。

以前私が読んだ「人的ネットワークス」づくりの教科書には、下記のように人的ネットワーキングのレベルを下記の5つの段階に分けて考えています。

レベル0  ネットワーキング活動なし
レベル1  ネットワーキングを始めたフェーズ
レベル2  ネットワーキング活性化に貢献
レベル3  自分の価値観をネットワーキングに取り入れる
レベル4  自分のビジネスや活動とネットワークに活かす又は抜擢される
レベル5  周りの人を集めて経済圏としてコミュニティを繋げる

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海外就職においても、関心のある国の仕事やマーケット情報を把握するやり方として人的ネットワークは重要です。

会社側の採用においても、ネットワークを広げておくメリットがあります。例えば、周りにいい人材がいれば、外部に求人情報を出すよりもコストがかからずに採用できるからです。

もちろん、いきなり海外に行ったからといってネットワークができるわけではないので、地元のコミュニティに参加してみることをオススメです。

ちなみに、私がシンガポール滞在時に参加していたコミュニティは下記になります。

シンガポール和僑
様々なビジネスをしてる方を対象にお互いの交流やビジネスチャンスを探すことや人材育成を目的として香港で発祥したコミュニティ

sg-wakyo.com

一方で日本にいながらも先述のGJJ株式会社は、海外就職にまつわるリアルとオンラインイベントを開催しています。海外就職に関心が高い人たちが集まるイベントに参加し、ネットワークを探していくことができます。

そのような人的ネットワークも海外就職に活かせるという視点を持つと、色々方法が見えてくるでしょう。