早くもこれまで海外に住み始めて7年過ぎが経過しました。オーストラリアに4年、シンガポールに3年、現在進行形でベトナムには4ヶ月ほどです。
最近感じたことは、移住する国や地域によって出会う情報やヒト、有利に持っていけることが異なることです。
当たり前な話でありますが、これを深掘りして考えることで、どこの国や地域に住むかの一つの軸にできます。また、コロナ禍でヒトや情報の行き来するスピードがより早くなったことで、よりこのマインドセットを持つ必要があります。
まず背景としては、東南アジアを中心とした各国の就労ビザやリタイヤメントビザの要件が引き上がったことをかんたんに説明します。今回はシンガポールを例に取って、上記を深掘りしていきます。
それ以前のシンガピールにおける就労ビザは、学歴、年齢などにより、最低給料額がビザ取得の基準となっていました。シンプルに高学歴で若い人材の方が最低給料額が低いため、ビザ取得が容易ということです。
その最低給料額について、私がシンガポールに移住した2020年3月当時は3900ドルでした。そして、直近3年ほどで数回に渡りその給与額がアップして最終的には5000ドルまで上昇しました。
また、当時の2020年3月は1ドル80円ほどであったのに対して、現在(2023年11月)は1ドル110円ほどです。この為替差額のみでも、約37%ほどのドル高です。端的に、シンガポールの就労ビザを取得し、シンガポールドルを稼げれば、資産性は高いと言えます。
シンガポールは顕著な例ですが、世界的にも国に取り入れる外国人の基準が高くなっています。つまり、これまで以上にどこの国に移住をするかという選択が重要になってきていると思います。
話を戻すこと、海外移住をするときはどんな人や情報を得たいかによって、移住先も考慮することをオススメします。
例えば、シンガポールであると出会いやすい人は優秀なビジネスマン、金融の専門家、起業家などです。私の場合は国際経済や資金運用に関心が強く、各分野プロフェッショナルと出会えた点が移住して良かった点です。言い方は良くないですが、手っ取り早く優秀な人たちとコネクションを持ちやすい国でもあります。
また、シンガポールに移住する利点として外せない点は、ハイテクな金融システムへのアクセスです。
金融大国として知られているだけあり、シンガポールのメガバンクであるUOB、OCBC、DBS銀行はどれも使い勝手が良いです。海外や国内送金の規制も日本よりも少なく、資金の移動を行いやすいため、特に大きな資金を動かす人にとっては大きなメリットとなります。
もう一つはシンガポールの銀行の金利です。UOB銀行を例に見てみましょう。金利を上げるために要件は下記です。
あとは銀行のドル預金の残高に応じて金利が上がり、100,000ドル以上(2023年11月のレートで1,110万円くらい)ある場合は7.8%となります。このように資産の運用や効率を高められる国として、シンガポールが適しています。
一方でシンガポールに移住する上で、課題となる点もあります。就労ビザが厳格化されたため、相応の実力者でないとそもそも働くことが厳しいことです。あとは、家賃を中心とした生活コストも高くなってきて、概ね一人暮らしをするのに月30万円以上はかかります。
また、ベトナムやインドネシアなど他の東南アジアよりも、日本人ブランドが薄くなっています。もちろん、多くのシンガポール人は日本人は寛容的で、私も多くのシンガポール人との交流もありました。
ただ、ベトナムでは日本に憧れを持った人たちが多く、日本人というだけで親しくなりたく思っているベトナム人もいます。
ただ、シンガポールでは、日本人だけではプラスにはなりにくくなってきています。ビジネスや何かしらの活動を通すことで、日本人ブランドを示せる面があります。例えば、日本人が経営している金融コンサルタント会社のため、周りからの信頼を獲得しやすくできるなど。
(体感的な部分もありますが)シンガポールでは、日本人を生かして何かを行うことで価値が生まれる点が大きいです。
今回はシンガポールを例に、その国で出会う情報やヒト、有利に持っていけることを深掘りしました。しかし、私が移住したオーストラリアやベトナムでも、それぞれの特徴があります。
そういった意味でも、その国のマーケット情報を把握することで、どこの国に移住するかを決める上で参考にできます。一方で一人で調べても深い理解は難しいこともあるため、詳しい人にマーケット情報を聞いてみるのが有効でしょう。